Rule Guide
ペサパッロは野球から派生したスポーツなので基本的にルールは野球と似ています。しかし、フィンランドスタイルに変更されたところが多く、野球を知っている我々には混乱しやすいルールがたくさんあります。おも立ったルールを列記しますので、読んで想像してみて下さい。混乱しますよ。しかし、これもペサパッロの楽しいところです。
1. グランドの大きさ
このフィールドサイズは青年男子用。他に女子、少年、子供用のサイズがあり約一回りずつ小さくなる。
フィンランドには野球場がなかったためサッカー場のグランドを利用し、扇形ではなく、長方形を基本として作られている。
扇形でないぶん野球よりフェアゾーンがかなり狭いので、バッターには強打・遠くへ飛ばすことよりも、打球をコントロールすることが求められる。
思いっきりイイ当たりをしても、一番奥のエンドラインを飛び越えてしまうとファールになる。(ホームランではない)これは日本人にはガッカリのルールだ!
2. ベースの配置
ホームベースと1、2、3塁、数は野球と同じだが1塁が左にある。
ランナーは順次2、3塁と回りホームに帰ってくると得点になる。1塁は近いため出塁しやすいが2、3、ホームとだんだん遠くなるので得点するのは以外と難しい。このためバント、ヒットエンドランが多用される。
バッターにはバットコントロール、ランナーには俊足と果敢なスライディングが要求される。
各ベースはベース盤ではなくスペースを示す白線内となっているので片足が白線又はその中にあればセーフティである。
塁上ではフォースプレーでありタッチアウトは塁間の走者にだけ有効(塁上でのフォースプレーは同時あるいは同時に近いものはほとんどセーフとなり、攻撃側有利のルールとなっている)
ホームプレートはストライク、ボールの判定のみのためで、ランナーは3塁から白線の外側を通ってhome base areaと示したあたりに飛び込んでくる。
3. 守備位置と名称
ペサパッロの最大の特徴はピッチャーがバッターの横にいてバッターが打つためのボールをトスしてあげることです。トスはボールをピッチャーの身長より1メートル以上高くあげ、ホームプレート上に落ちればストライク、はずれればボール。
ボールには、フォアボールに相当するバッターやランナーの進塁が罰として与えられる。
バッターはトスされたボールを打つわけだから、打つこと自体は簡単だ、しかし、「1. グランドの大きさ」に記されたように打球のコントロールが一番大切なのだ。
ピッチャーの役割を野球と変えたのは、おそらく特別な技能を持ったピッチャーが簡単には育たないことと、ピッチャーの差により優劣がつくことを避けたのではないだろうか。
野手の人数は野球と同じ9人。
ピッチャー、キャッチャーと1塁手、2塁手、3塁手。ショートが左右に2人、外野も左右に二人だけの計9人で守る。
但し、ピッチャーは上図にあるようにバッターの横にいてバッターの打つボールをトスする。ランナーの牽制、そしてホームベースを守ることもピッチャーの役割だ。
キャッチャーは野球に準じてこう呼んでいるが、実際には一番前の内野手。目の前のバッターが打った打球に素早く反応しなければならず大変重要で、そして危険な守備位置。
守備体制は局面により大きく変えます。1塁手はほとんどの場合ベースよりずーっと前で守り1塁は3塁手がカバーし、ランナーがいなければ2、3塁にはカバーは入らない、2塁にランナーがいれば3塁はレフトショートがカバーする。
外野の2人もランナーやバッターにより守備位置を常に変える。
4. ピッチャーの役割
- ストライク/ボール
ピッチャーがボールを上げて、そのボールが投手の頭上1メートル以上上がってからホームプレートの上に落ちた場合「ストライク」外れた場合「ボール」。しかし、バッターがバッティング動作をした場合はすべてストライクに勘定する。 - ボールの数(フォアボール)
ランナーがいない場合ボール1つでバッターは1塁へ出塁しても良い、そのままボールが3つ続くと1塁を経由して2塁へいける。(出塁せず打っていても良い)ランナーがいる場合、同じバッターにボールを2つ与えると、一番先頭にいるランナーが1つ塁を進むことができる。 - 投球後ピッチャーはバッターの邪魔にならないように身を引かなければならない。
- ボールがピッチャーの手を放れた瞬間からバッターやランナーには走塁の権利が発生する(バットを振ろうと振るまいと)
- ピッチャーは投球が地面に落ちる前にボールを捕球してはならない。
- 投球後地面に落ちたボールはピッチャー自身で拾わなければならない。
ピッチャーはホームプレートの右側に立ち(左バッターの場合左に移動する)グローブを上、ボールを下に、肩の高さに一旦止めてから一度の動作でボールを上に上げる。
判定は審判が旗で示す
5. バッター打撃出塁
ペサパッロのバッターには1打席に3回のストライクの権利が与えられる。しかし、野球と違い1打目からフェアなら必ず走塁する必要はなくバッターとして留まり、ランナーを進め3打目まで走塁を選べる権利がある。(左図上〕
3打目は最後のストライクなので必ず走塁しなければならない。(左図下)
もし3打目がファウルになったらその打者はアウトとなり、走塁の権利を失う。
6. フェア/ファウル
バッターが打った打球が最初に地面に落ちたエリアがフェアかファウルかを決定する。
- 野球との違い-1
- 1st、2ndベース手前でも一旦フェアエリアに落ちればその後ファウルエリアに転がっていっても「フェア」
- 野球との違い-2
- 一番奥のエンドラインをフライで超えてもホームランではなくただの「ファウル」
- ●:最初にボールが落ちた場所
- ■■■■■:フェア
- ■■■■■:ファウル
7. 走塁/得点
バッターランナーはまず左の1塁へ走る、2本の白線の間を走り1塁ベースから引かれた白線を通過するのが打球が一塁手に返ってくるのより早ければセーフとなる。
ランナーになれたら各塁のスペースにタッチしていればセーフティで、進塁は野球と同じで次の塁に送球より早く到達すればセーフ。
3塁ランナーはセーフになった後3塁ベースから引かれた白線をスタートラインとして片足をライン内に置き陸上のスタートのように構え、スタートのタイミングを狙う。(但し、ピッチャーがホームベース上にいるのでピッチャーがボールを手に持っているときに3塁の線を離れてしまうと瞬間的にフォースアウトになってしまう)
3塁ランナーが送球より早くホームベースに到達すれば得点となる。
ホームランは独特でバッターランナーがフェアを打ってそのまま3塁まで到達すると1点を獲得できる。さらに3塁走者として残りホームベース帰ってくればもう1点獲得できる。(ホームランを打ったバッターは3塁上で派手に祝福される)
8. 独特のルール ウンデット
ペサパッロの分かりにくいルールの代表に「ウンデッド」というものがある。
ウンデッドはバッターランナーやランナーがアウトでもセーフでもなく走者の資格を失うルール。
バッターがフライを打ちランナー(バッターランナーも)がベースを離れたらペサパッロでは捕球される前に元のベースに戻れなければ捕球された瞬間にウンデッドになり、更にランナーが向かっているベースにランナーより先にボールが転送されると今度は「アウト」になってしまいます。アウトにならないためには飛び出したら先のベースに全速で走らなければなりません。(それでもウンデッドですが)
このルールは攻撃側も有効に使います。例えば、ヒットエンドランをかけて、もしフライになってランナーがウンデッドになってもアウトカウントは増えないので挑戦してもリスクは少ないのです。
また、足の遅いバッターにチャンスが回ってきたら自らウンデッドを狙うこともあります(見破った守備側は捕球したボールを故意に落球し無理やりランナーにしてしまうことが多い)
9. 勝敗の決め方
正式の試合は最初の4イニングを第1ピリオドと呼び、得点の多いチームに1ポイントを与える。15分のハーフタイムの後、第2ピリオドを行う。
- 勝敗はピリオドポイントを多く取った方が勝ちとなる。(下図上)
- 1、2ピリオドを終わって同ポイントの場合、エキストライニングを1回行い、得点の多いチームが1ポイントを与えられ2対1で勝利となる。(下図中)
- エキストライニングでも同点の場合スコアリングコンテスト(3塁にランナーを置き5人のバッターで何人ホームインできるかを争う)を行い勝負をつける。(下図下)
10. ジョーカー?の存在
守備についている9人が、1~9番までの打順を組み、その後に3名の打撃専門の「ジョーカー」が攻撃要員となる。ジョーカーは他のバッターの間に起用されバッターと交代するわけではない。1イニングに2名まで起用でき、各イニングに再度起用できる。ジョーカーは他の選手と違う写真の公式ユニフォームを着用する。
チームで一番打撃のよい選手がジョーカーになり、ここぞというチャンスには必ず登場する。
いいとこで派手に活躍するので人気のある選手が多い。
このページは、札幌ペサパッロ協会監修のフィンランド野球「ペサパッロ」公式ホームページが無くなってしまったため、「ペサパッロ」ホームページに掲載されていたルールガイドを引き継いだものです。